Jupiter-8 50mmf2 絶妙な硬さと柔らかさを併せ持つ非常に優れたレンズ

先日ebayにて送料込みの40ドルで購入したJupiter-8 50mm。以前から知り合いにJupiterはいいよ、いいよと何度も言われていたのでとても気になっていたレンズ。自分が買ったのはシルバーボディでピントレバーのついた最も初期型のタイプ。フィルター径40.5mm、重さ125g。ebayのsellerによれば1950年代の半ばあたりに作られたレンズらしい。ジュピターにはシルバーと後期型のブラックのタイプがあるが、ブラックのタイプは製造年が新しいせいかebayでも価格設定が高め。ブラックのタイプは使ったことがないが、シルバーのもっとも初期型の描写を見ると、シルバーのタイプで十分じゃないかな。他のサイトを見ていると旧ソ連製のレンズは1960年代くらいのものが一番いいらしい、ということなのでシルバータイプのピントノブのついていないバージョンがベストか。

実際撮影してみるとこれが素晴らしい。ゾナーというレンズを使ったことがないので、どうしてもいつも使っているズミクロン50mmf2と比べてしまうが、これが日本のメーカーのレンズだとあっさりしすぎているとか、面白みに欠けるようなイメージをいつも持ってしまうけれど、このJupiter-8に関してはズミクロンと同等か、もしくは、、、なんて思ってしまった。以下開放で撮影した写真群。

Jupiter-8 開放

開放で撮影してもそれほど周辺が乱れず使いやすい。自分の所有するズミクロンは開放でかなり周辺が破綻するので面白い反面、若干使いにくさが残る感は否めない。

モノクロを基準に作られているレンズなんだろうが、カラーで見てもとても質感が素晴らしい。カラーで撮影するのであればズミクロンよりもいいと思う。上質な絹のような描写。ライカレンズとツアイスのレンズの違いがこれか、ということかもしれない。

開放で撮影するとぐるぐるボケも楽しめるが、背景と被写体の距離感も結構関係するのか室内で撮影したものにはあまり出ない。

この時代のレンズなのでもちろんモノクロームの描写は文句のないレベル。美しいグレートーンを再現してくれる。

一段から二段絞れば、画面のほとんどがキレのある、非常に繊細だがシャープな画質になる。

f4
f4
f4
f2.8

自分の購入したJupiterは操作性も悪くない。ヘリコイドもグリスアップしてくれているようで適度な重さがあるし、沈胴ズミクロンと同じ仕様のピントノブはとても気に入っている。上位機種にf1.5のJupiter‐3もあるので価格的には倍くらいになるがかなりいいらしい。

poor mans Leicaとか、たまにJupiterは話にならないかのような批評をしているようなサイト等見るけど、もし400ドルで購入したとして画質を褒める人は数えきれないほどいるだろうが、画質をけなす人はそれほどいないのではないだろうか。逆光に弱かったりするが、オールドレンズと言われるものはすべてそうだし、Jupiterがトイカメラのレンズのようなイメージなのはアルミ合金製の外観と絞りのクリック感がないことに大きく起因しているのではないだろうか。

自分にとってはこんなに優秀なレンズがリーズナブルに手に入るのだからこれで十分だ。写真表現に必要な十分すぎるクオリティ。レンズは消耗品である。Jupiterで撮影した写真をズミクロンやツアイスで撮影したといっても誰も気づかないだろう。画質だけ見れば基準を大きく超えているように思う。軽量なのとカラーでの撮影を考えればズミクロン以上かもしれない。結局新品で何十万もだして購入したライカのレンズで撮影した凡庸な写真など何の価値もないけれど、決定的な瞬間などをiphoneで撮影した写真のほうがはるかに価値は高い。

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